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JR西日本 降積雪時の対応策 進捗状況を発表

2023.10.05

 JR西日本は9月29日、1月の京都地区を中心とした降積雪時における対応の不手際を踏まえて取り組んでいる対応策の進捗(しんちょく)状況について発表した。

 乗客への対応では、▽60分を目安とした降車誘導判断の徹底や、指令・駅・乗務員の連携を強化していくため、駅間停車列車の乗客に関する情報や救護方針の共有、駅間停車解消に向けたオペレーション選択などに関する訓練シナリオ▽駅間停車列車からの乗客救護を迅速化するため、駅間停車の解消、降車誘導判断、降車後の歩行距離短縮を目的とする列車移動など、指令の判断・手配に主眼を置いた訓練シナリオ――を作成し、訓練を実施している。

 避難誘導マップについては、避難誘導路の現地写真・通路幅員・勾配など歩行環境の情報を追加し、安全性を確認できるよう改良を行った。

 これらの内容について、実際に列車を用いた訓練を行い、列車からの降車・避難誘導や救急搬送手順などの有効性、定着度を検証している。

 このほか、乗客への情報を復旧の進捗状況に応じて適時適切に発信できるよう、指令所内における情報の共有、整理、発信プロセスの改善などに主眼を置いた訓練、対策本部で指揮に当たる幹部に対する危機管理力向上に向けた教育や、指揮統制、運営方法、情報収集方法、関係機関との連携を検証するためのシナリオを用いた訓練を行っている。

 気象情報に基づく対応では、現地状况の把握と救護初動の迅速化のため、対策本部の設置基準に「気象庁の早期注意情報において特別な注意が呼び掛けられる場合」を追加した。また、駅間での長時間停車の防止を徹底するため、京阪神エリアの降積雪時における計画運休のタイムラインや間引き運転の考え方を整理した。

 京阪神全域の融雪器の強化(547カ所)は11月末までに完了予定。自治体など関係機関ヘの支援要請では、大規模な輸送障害発生時の乗客救護・避難誘導、帰宅困難者が多数発生する場合の一時的な滞在場所や、飲料水・食料などの支援を依頼できるよう、関係機関の連絡先、駅近傍の避難誘導可能な施設の一覧表を作成。協力体制を強化するとともに、早期の連絡を徹底する。

 1月の事象発生後、再発防止のための対応策は2月に発表している。同社では「今後も訓練実施ごとに検証・改善を繰り返すことで、設備やルールの最適化を進めるとともに、最悪の事態に備え、現場の判断を最優先するマネジメントの確立と対応能力の向上に努めていく」としている。

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