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JR西日本 京阪神の運賃改定申請 25年4月に運賃体系一本化

2024.05.17

 JR西日本は15日、京阪神都市圏の運賃体系について、電車特定区間を見直し、2025年4月1日発売分から新たに同都市圏を適用エリアとする共通の運賃水準を設定すると発表した。同日、国土交通大臣に普通運賃、通勤定期運賃、通学定期運賃の上限変更認可申請を行った。今回の改定は、全体として増収にならない想定で設定する。同都市圏内で同じレベルの輸送サービスを提供しているエリアにおいて、運賃体系を統合して平準化を図る。

 同都市圏の運賃体系は、国鉄時代の1986年9月に策定された運賃体系を継承している。新駅開業や輸送サービス向上などによる同都市圏域の拡大に伴い、利用状況と運賃水準との不一致が課題とされてきた。

 改定では、電車特定区間の適用範囲を、これまで幹線だった琵琶湖線(東海道線)野洲、湖西線堅田、嵯峨野線(山陰線)亀岡、奈良線城陽、JR宝塚線(福知山線)新三田、山陽線網干、学研都市線(片町線)松井山手、関西空港線関西空港まで拡大。現行の「大阪環状線内」「電車特定区間」「幹線(拡大区間)」に適用している運賃水準を、電車特定区間の賃率に統合する。大阪環状線内の区分は廃止し、シンプルで分かりやすい運賃体系とする。

 これにより、現在の電車特定区間125駅に対し、幹線66駅と大阪環状線23駅(桜島線とJR難波を含む)を統合し、計214駅に拡大される。

 新たな電車特定区間では、大人片道普通旅客運賃に適用する賃率は営業キロ1㌔につき15・50円。現行の電車特定区間の賃率からは1・3%値上げした額に改定されるものの、幹線は最大210円の値下げとなる約4・3%引き下げた運賃体系に平準化する。併せて、バリアフリー整備を加速するなど、引き続きサービス向上に取り組んでいく。

 運賃は、山陽線西明石―網干間や、琵琶湖線(東海道線)京都―野洲間など現行の幹線の場合、営業キロ1~3㌔で現行普通旅客運賃(大人)150円、通勤定期旅客運賃(同)1カ月4620円のところ、改定後はそれぞれ150円、4310円に。営業キロ181~200㌔では、現行の幹線が普通旅客運賃3410円に対し、3200円となる。

 電車特定区間の拡大に伴い、鉄道駅バリアフリー料金が含まれていなかった幹線について、新たに「鉄道駅バリアフリー料金制度」の届け出を行う。

 また、大阪―三ノ宮間など上限運賃よりも安価な特定運賃については、基本的に変更しない方針(上限運賃の変更に伴い運賃を特定する区間、新たに鉄道駅バリアフリー料金の収受対象となる区間などは一部変更となる区間がある)。

 通学定期券は、高校生などに対しては通学定期運賃(大学生など)から1割引き、中学生などは3割引き、小学生などは小児の通学定期運賃(通学定期運賃の半額)を3割引きした額を適用する。

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