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JR東日本 「アグリスポーツ健康経営」実証実験 交流・関係人口創出を

2024.07.25
リンゴ農園でのアグリスポーツ体験(イメージ)=JR東日本提供=

 中山間地農業のポテンシャル拡大

 JR東日本とジェイアール東日本企画(jeki)、アシックス(神戸市)、長野県、同県飯綱町、国立高等専門学校機構長野工業高等専門学校轟研究室(長野市)、奈良県立医科大学(奈良県橿原市)は、農業・スポーツ・移動・デジタルを掛け合わせて中山間地農業のポテンシャル拡大を目指す「アグリスポーツ健康経営」の実証実験を行う。あす26日開催のセミナーと9月の現地体験を通して、企業の健康経営支援や新幹線利用による移動型関係人口の創出と、地場産業活性化と企業の健康経営支援の両立による関係人口の創出につなげる。

 実証実験は、企業の健康経営を目的とした研修利用を想定。首都圏やその近郊で働く人たちを対象に、首都圏と地方間の移動を創出する。さらに、農業をスポーツと捉え、農作業を通じて活動者の心身に与える影響をスポーツ科学の視点から分析する「アグリスポーツワーケーション」を同町で体験。ワーケーションを推進し、地場産業の活性化と企業の健康経営支援を両立して同時解決できるかについて検証する。

 実証モニターは、あす26日14~17時にライブ配信するセミナーで、企業の健康経営の在り方や地域活性化とワーケーションとの相性、アグリスポーツワーケーションについて学んだ後、9月13日のアグリスポーツ体験に参加する。

 体験当日は、北陸新幹線で東京―飯山間を移動。同町内のリンゴ農園で不要な葉を摘み取る「葉摘み」や、日光に当たるよう果実を回す「玉回し」などの作業を、アグリスポーツのフィールドワークとして体験する。ワークショップでは、体験後の感想や農作物の事後受け取りによる再来訪の意向の変化など、顧客やユーザーの視点に立った意見をアンケートで集める。

 また、この日は飯山駅と、拠点となる同町内の廃校再活用複合施設「いいづなコネクトEAST」との間を結ぶ二次交通の「アグリサポートバス」を運行。三次交通として、同施設と農園間の足となる「E―BIKE」も運用し、移動と心身のリフレッシュ、地域接点の創出を促す。

 活動時はウエアラブル端末を装着してバイタルデータを収集。後日、奈良県立医科大学が地域医療の観点から、アシックスがスポーツ医学の観点からそれぞれ分析し、健康経営支援の効果や成果を定量的に検証する。

 体験終了後には、JR東日本の通販ウェブサイト「JRE MALL」内に参加者限定のEC(電子商取引)サイトページを開設。「体験参加賞として関与した農作物の後日(12月ごろ)郵送」「体験者限定特典付きの事前予約購入」「ふるさと納税」の3点を提供し、購買行動や体験満足度の変化を評価・分析。顧客育成による農業収益の拡大や、交流人口・関係人口創出の新規手法を検証する。

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