JR東日本 現業部門 ミズノのワークウエア採用
機能的でスタイリッシュ スポーツで培った知見随所に
JR東日本は、健康経営の一環として現業部門向けに、機能性とデザインを両立した動きやすいワークウエアやシューズを採用している。総合スポーツ用品メーカーのミズノ(大阪市住之江区)と共同で開発したもので、ミズノがスポーツで培った知見を活用。機能性に優れたスタイリッシュなウエアやシューズは、同社以外の鉄道業界でも広く採用されている。
佐川急便の赤と青と白のしまシャツ。ミスタードーナツのユニホーム。いずれもミズノ製で、速乾性と動きやすさに優れ、仕事へのモチベーションも上がると現場から好評だ。要望に合わせ、細かいオーダーにも応える。
ミズノは1997年に専門部署を立ち上げ、2019年にワークビジネス事業部を発足させ取り組みを本格化。現在は建設、運送、製造、清掃業など、さまざまな業種・職種1200社以上で採用され、ワークビジネス事業では27年度の売上高180億円を目指している。
JR東日本では、現業部門の選択制アイテムとして、保線作業時に着用する「2WAYアノラック」、熱中症対策に有効なファン付きベスト「エアリージャケット」、ワークシューズが採用されている。
■2WAYアノラック
2WAYアノラックは、18年にJR八王子支社と共同開発し、3DCGや解剖学によるスポーツの動作解析を基に、作業時の動きやすさを追求。列車接近警報装置(列警)用ポケットの位置は何度も調整して決定した。
高機能レイン素材(ベルグテックEX)を採用し、吸湿発熱素材(ブレスサーモ)を使用したライナーは取り外しでき、通年で使用可能。JR東日本の12本部・支社をはじめ、東京建設プロジェクトマネジメントオフィス、電気システムインテグレーションオフィスなどで使用されている。
■エアリージャケット
エアリージャケットは、19年に当時の東京支社(現・首都圏本部)と開発を始め、構想に2年、モニターテストに2年かけたという自信作。狭い現場での作業を想定して、空気はよく通るのに膨らみにくくなるよう風の流れを設計し、すっきりとした見た目を実現した。
生地は摩耗や摩擦に強く、汗臭なども中和無臭化。高輝度のプリズム反射テープ付きで、安全チョッキを装着する必要がない。フラップ(ふた)付きの野帳・列警用ポケットも備わっている。22年から発売し、同社以外にも鉄道 業界や建設業界で広く採用されている。
■ワークシューズ
スポーツシューズ開発のノウハウを活用し、安全性や耐久性、快適性を追求したワークシューズも、軽くて履き心地に優れ、疲れにくいと評価が高い。色は黒のほか、半長靴タイプでは暑熱対策で白も登場した。
ミズノでは、鉄道関連業務従事者の労働環境改善に資するこれらの製品を広く知ってもらおうと、昨年11月に千葉市美浜区の幕張メッセで開かれた総合見本市「第8回鉄道技術展2023」に初出展。直近では、7月24~26日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「第10回東京猛暑対策展」にブースを出展する。
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