交通新聞社 電子版

特集 JR東日本 新本部長・支社長インタビュー 高岡崇 執行役員・東北本部長・東北本部鉄道事業部長

2024.09.18
高岡崇氏

 東北に新しい価値

 新幹線を軸、確かな施策を

 目指すテーマとして「東北に新しい価値を創っていく」ことを掲げる。「今までにない発想で、どういうものが創り出せるのか、社員と考えていきたい」と力を込める。

 最も重要な課題に位置付けるのは、東北新幹線の利用拡大。同社の鉄道事業の収入源となっている東北、上越、北陸各新幹線だが、回復の度合いは東北が最も遅れているという実情がある。

 「コロナ禍を経て、社会や仕事の仕方が変わっている中で、ビジネス需要重視の姿勢では回復は遅れるばかりだ。観光や日常の中で東北新幹線を利用してもらうための施策を打ち、その元気が増すように取り組んでいきたい」と指針を語る。

 さらに、地域活性化と鉄道需要喚起の両面から新幹線駅の重要性にも言及し、「鉄道と生活サービス分野の連携・融合を推進することで魅力や性能の向上を図っていきたい」と意欲を見せる。

 観光関係では、福島デスティネーションキャンペーン(福島DC)のプレキャンペーンを2025年4~6月に控えている。「現場社員が企画し、運営する当社として初めてのDCになる。新たなチャレンジであり、準備に取り組む社員をしっかりとサポートしていきたい」と話す。

 組織の風土づくりの面では「社員は真面目に粘り強く仕事に取り組んでいるが、時代に合わせて見直すべきところは見直す、変えるべきところは変えていく。そうした動き、雰囲気にもっと力強さがあっていいのではないかと感じている。変化を自分たちで起こせる組織にしていきたい」と強調した。

 JR東日本東北野球部が今夏の都市対抗野球大会で準優勝したことに話を向けると、表情が緩む。

 「20代、30代のころは、当社の東京の野球部の応援団に所属していたし、東京支社総務部長を務めていた時は野球部長として東京ドームのベンチに入るなど、野球と深く関わってきた。そうした中、私が東北本部長に就任した以上は、東北のチームにはぜひ活躍してもらうんだということを言い続けていたが、白獅子旗獲得という立派な成績を出してくれて非常にうれしく思っている」

 東北勤務は初めてだが、父方の祖母が青森県出身。「忍耐力、誠実さ、厳しい状況から立ち上がることができる強さを備えた東北人の血は私にも入っている。任務に当たっていく上での自信にしたい」と。趣味は将棋で、JR東日本将棋クラブの会長を務める。(秋元 尚浩記者)

 ◇高岡崇(たかおか・たかし)氏略歴 1992年4月JR東日本入社。鉄道事業本部営業部次長、東京支社(現・首都圏本部)総務部長、執行役員・グループ経営戦略本部経営企画部門長などを経て今年6月から現職。奈良市出身。55歳。

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