JR八王子支社 中央快速線用グリーン車を報道公開
両開きドアや自動回転座席
JR東日本八王子支社は18日、豊田車両センターで、2024年度末以降の営業運転開始を予定しているE233系中央快速線用のグリーン車(2階建て、1編成2両連結)を報道公開した。スムーズな乗降に向けた両開きドアや、短時間での車内整備を可能にするための自動回転座席を導入するなど、工夫を凝らした車両で快適な移動を提供する。
同社はグループ経営ビジョン「変革2027」で、ニーズに合わせた付加価値の高い移動空間と輸送ネットワークの提供を掲げている。中央快速線は、首都圏主要5方面(東海道、中央、東北、常磐、総武方面)で唯一グリーン車の連結がなく、着席サービスのニーズが高いことから、グリーン車サービス導入の準備を進めてきた。
グリーン車の運行区間は、中央快速線東京―大月間(E233系のみ)と青梅線立川―青梅間(中央快速直通列車のみ)。東京方から4、5両目に組み込み、1編成10両から12両になる。導入編成数は57編成、新製グリーン車は114両。同社グループの総合車両製作所が製造する。現在、8両(4編成)が完成している。
主な特徴は、東京など折り返し駅でのスムーズな乗降を図るため、従来の在来線グリーン車で採用している片開きドア(開口幅810㍉)から、両開きドア(1300㍉)に変更。さらに、東京駅での短時間車内整備を可能とするため、在来線では初めて座席を自動的に回転する仕組みを導入した。操作開始から20秒以内で、奇数列と偶数列が交互に回転する。
両開きドアの導入でデッキが広くなることから両端部の客室の座席数が4席減少するが、2階建て部分を延長することで、グリーン車2両合計の定員は従来と同じ座席数を確保した。4号車はトイレ、洗面台、乗務員室、業務用室があり定員86人、5号車は94人。
車内では「JR―EAST FREE Wi―Fi」が利用でき、各座席のひじ掛け下にコンセントが設置されている。座席は上部がライトグレー、下部が深いワインレッドのツートンカラー。
グリーン車導入について、宇野弘之同支社企画総務部経営戦略ユニットリーダーは「中央快速線での着席サービスのニーズは高い。なるべく早くサービス開始できるよう鋭意進めていく」、車両について水谷恵介鉄道事業本部モビリティ・サービス部門車両技術センターマネージャーは「座席の自動回転や出入り口の間口を広げるなど、短時間で折り返しできるための工夫を凝らした」と述べた。
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