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北陸新幹線金沢―敦賀間 16日開業 JRグループ ダイヤ改正

2024.03.15
越前たけふ―敦賀間を走行するW7系(JR西日本提供)

東海道・山陽新幹線の利便向上

 東北・山形新幹線にE8系

 JRグループ7社はあす16日、ダイヤ改正を実施する。北陸新幹線金沢―敦賀間が延伸開業し、最速達列車は東京―福井間を2時間51分で結ぶなど、北陸へのアクセスが便利になる。東海道・山陽新幹線は、両新幹線を直通する最終「のぞみ」の所要時間短縮と発車時刻の繰り下げにより、現地滞在時間が拡大。東北・山形新幹線はE8系新型車両が投入され、サービス向上が図られる。

 今回開業する北陸新幹線金沢―敦賀間(延長約125㌔)は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設主体となって2012年6月から工事を推進してきた。

 同区間の新駅は、小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の6駅。主なトンネルは「新北陸トンネル」(越前たけふ―敦賀間、延長約19・8㌔)、「加賀トンネル」(加賀温泉―芦原温泉間、約5・5㌔)、「第2福井トンネル」(福井―越前たけふ間、約3・5㌔)など。橋りょうは「手取川橋りょう」(金沢―小松間、558㍍)、「九頭竜川橋りょう」(芦原温泉―福井間、414㍍)など。

 昨年12月26日には国土交通省による完成検査が終了し、同29日からJR西日本による乗務員習熟のための訓練運転が行われている。

 1日当たりの運転本数は、東京―敦賀間で「かがやき」9往復、「はくたか」5往復のほか、敦賀で在来線特急「サンダーバード」や「しらさぎ」と接続する「つるぎ」を25往復(富山―敦賀間18往復、金沢―敦賀間7往復)、特急と接続しない「つるぎ」を5本設定する。

 停車パターンについては、「かがやき」は福井、敦賀に停車する列車に加えて、小松、加賀温泉、芦原温泉、越前たけふの一部に停車する列車を運転し、首都圏に直通する列車への乗車機会と速達性を確保。「かがやき」の小松、加賀温泉、芦原温泉、越前たけふ各駅の停車本数はそれぞれ2往復。

 「はくたか」は、新規開業区間で各駅に停車する。特急と接続する「つるぎ」は、各駅停車タイプのほかに、同区間で福井、敦賀のみ停車する速達タイプを運転する。

 最速達列車の所要時間は、東京―福井間の場合、新幹線の速達効果と乗り換えの解消で現在(北陸新幹線利用時)より36分短縮の2時間51分となる。大阪―金沢間(「サンダーバード」と北陸新幹線利用)は、乗り換え時間を含めて22分短縮の2時間9分、名古屋―金沢間(東海道新幹線・特急「しらさぎ」・北陸新幹線利用)は16分短縮の2時間9分。

 東海道・山陽新幹線では、東京発岡山行き最終「のぞみ93号」で東京―岡山間の所要時間を7分短縮し、併せて東京発車時刻を6分繰り下げ20時39分とする。ビジネスブースを設置したN700Sで運転する直通「のぞみ」も増やす。

 東北・山形新幹線では、新型車両E8系を順次投入し、一部列車で宇都宮―福島間の最高速度を時速275㌔から300㌔に引き上げる。これにより所要時間が最大4分短縮し、最速達列車は東京―山形間を2時間22分、同―新庄間は3時間7分で結ぶ。

 在来線では、千歳線札幌―新千歳空港間の「エアポート」、中央線の特急「富士回遊」の増発、特急「やくも」の岡山での山陽新幹線との接続改善、関西線・大阪環状線経由の通勤特急「らくラクやまと」(奈良―大阪・新大阪間)の新設などが行われる。

 北陸新幹線金沢―敦賀間の延伸開業により、並行在来線となる北陸線の同区間はあす16日、JR西日本から経営分離され、第三セクター鉄道のIRいしかわ鉄道(金沢―大聖寺間)と、ハピラインふくい(大聖寺―敦賀間)が運営する。

 三セク両社では、列車本数を増やすなど利便性向上を図る。IRいしかわ鉄道は同日、加賀笠間―松任間に新駅「西松任」を開業する。

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