JR九州 小倉総合車両センターを移転 新車両基地を建設 31年度末竣工予定
JR九州の古宮洋二社長は24日の定例会見で、北九州市の同社小倉総合車両センターについて、JR貨物が保有する東小倉駅用地を取得し、同センターの機能を移転すると発表した。開設から約130年が経過し、老朽化した施設・設備を更新するとともに、持続可能な車両検査の実現を目指した環境配慮型の新たな車両基地を建設する。投資額約480億円。竣工(しゅんこう)予定時期は2031年度末ごろ。
同センターは1891年4月に九州鉄道小倉工場として開設。1987年4月にJR九州小倉工場となり、2011年4月に一部鹿児島などで行っていた要部検査以上を同工場に統合し、現在の名称に変更された。
現在、同センターでは同社やグループ会社の社員ら約650人が働く。同社保有の在来線車両全約1400両のうち、年間約400両の要部検査、全般検査を行うほか、D&S(観光)列車をはじめ車両改造工事も担う。
移転候補地の東小倉駅用地は敷地面積約7万8000平方㍍で、同センター(約15万8000平方㍍)の半分。新技術の導入や効率的な検査ラインの構築により、コンパクトな車両基地を目指す。
さらに、検査日数の短縮、省人化による効率的な車両検査を実現するとともに、太陽光エネルギー活用やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化など地球環境への貢献を図る。
同社は24年度末の用地取得を目指して、JR貨物と協議中。移転後の同センター跡地の用途、構内に残る赤レンガ建物の保存などについては今後検討する。
古宮社長は新技術導入に対して、「システム化することで、検査や車両を全体的に管理できるようになる。最新鋭の技術を使って、より省力化することが会社経営にも資するため、ロボットによる塗装や検査・修繕など極力機械化していきたい」と述べた。
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