JR東日本 新規事業「TipSmile」スタート 従業員の働きがい向上へ
利用者のメッセージ活用
JR東日本は18日、店舗や従業員に感謝や応援のメッセージとチップを届ける新規事業「TipSmile(チップスマイル)」のトライアルをスタートした。店舗利用者がスマートフォンから従業員や店舗向けにメッセージを送信すると、同社グループ共通ポイント「JRE POINT」が付与されるほか、保有の同ポイントをチップとして従業員に届けることも可能。ポジティブな声を従業員の働きがいや接客業の魅力向上につなげる。来年春以降の本サービス提供を目指す。
10施設でトライアル
同社グループの公募制新事業創造プログラム「ON1000(オンセン)」の採択アイデア。応援メッセージやチップの活用を通して、商業施設内でのポジティブなコミュニケーションを促す。
商業施設などの利用者は、店頭のチップスマイル専用2次元コードや、SNSなどで配信される専用URLからチップスマイルのウェブサイトにアクセスしてメッセージを送信する。「JRE POINT」会員には利用特典として、1回の送信で1~10ポイントを1カ月に10回まで付与する計画。トライアル期間中の付与ポイント数は変動する。
本サービスの提供開始後は、利用者自身のポイントから最大200ポイントを従業員へチップとして送付することも可能に。良いサービスを受けた際の感謝や応援の気持ちを伝えることができる。
2020年から20の商業施設・店舗で実施した実証実験では、同サービスの導入により、これまで回収が難しかった利用者の感謝や応援などのポジティブな声の件数が、最大30倍程度増加することが判明した。
また、仕事に対するモチベーションが向上すると答えた従業員が82%、対象店舗への愛着や再来店意欲が向上したと答えた利用者は86%を占めた。このことから、ES(従業員満足度)向上はもちろん、CS(顧客満足度)向上にも効果を発揮することが確認できたという。
トライアルで導入予定の施設と期間は、JR東日本クロスステーション(JR―Cross)デベロップメントカンパニー運営の「エキュート上野」「エキュート日暮里」(以上、11月21日まで)、「グランスタ」「エキュート東京」(以上11月1~30日)、高崎ターミナルビル運営の「高崎モントレー」「アズ熊谷」「イーサイト高崎」「イーサイト籠原」「イーサイト上尾」(以上11月1日から)、盛岡ターミナルビル運営の「フェザン」(同)。
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