交通新聞社 電子版

墨滴 6月14日付

2024.06.14

 春の訪れを告げる鳥として知られるヒバリ。河川敷や草原などに生息し、空高く飛び上がり、ホバリングしながら複雑なさえずりを長時間続けることも。「揚げ雲雀(ひばり)」は春の季語になっている▼ヒバリが大地に春の息吹を吹き込むように、車両に新しいエネルギーを吹き込んでほしいとの思いも込めて命名されたのが、JR東日本が開発を進める水素ハイブリッド電車の試験車両FV―E991系「HYBARI(ひばり)」。9日、東京都内に初めて乗り入れて一般公開され、小池百合子東京都知事も視察に訪れた▼駅は入線前から大勢の鉄道ファンらで混雑。2番線ホームに停車するHYBARIの全体像をカメラに収めようと、3番線ホームの先端には大行列ができており、関心の高さに驚くばかりだった▼車内見学には地元の小学校2校の児童と保護者ら80人ほどが招かれた。「電車の色が南武線の車両と違う。次世代の車両って感じがする」「パンタグラフが必要なくて動くのがびっくりした」と小学生が小池知事に感想を語っていた▼2022年3月から同線川崎―登戸間と同支線、鶴見線で実証試験を実施しているHYBARIだが、法整備の問題もあり、まだ両線しか走れない。だが、今回の都内初乗り入れは30年度の営業運転実現に向けての大きな一歩。多摩川を越えるのはいつだろうか。新しいエネルギーの到来にワクワクする。

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